「メタボは太った人やおなかが出ている人の病気だから、やせている私は大丈夫」と安心していませんか?
実は、近年の研究でやせ型や普通体型でもメタボのリスクを持つ人がいることがわかってきました。
そこで、今回は薬剤師の碇純子先生にやせメタボの特徴や予防に役立つ漢方薬を紹介してもらったのでぜひ参考にしてみて!
実はあなたも…?「やせメタボ」の正体とは
やせメタボとは、BMI18.5未満のやせ型でも、糖尿病やメタボのリスクが高い状態にあること。
BMI18.5未満のやせ型で、筋肉量や運動量、食事量が少ない人は、血糖値を下げるインスリンの効きが悪いことがわかっています。
インスリンの効きが悪くなると、筋肉に送り込まれる糖が少なくなるため、血糖値が下がりにくくなってしまいます。
また、糖質制限ダイエットなどによる食事量低下と栄養不足、洋食への偏りなどがある場合、高脂肪傾向となり、さらにやせメタボのリスクが高くなる可能性も。
夜行性女子は「やせメタボ」の傾向にある
こうした「やせメタボ」は、夜行性タイプの女性に多いことがわかっています。(※1)
そこでまずは、あなたが朝型・夜型のどちらのタイプなのか、チェックしてみましょう!
あなたは朝型?夜型?クロノタイプをチェック
クロノタイプとは、人がどの時間帯に活動的になるかの分類のこと。
朝型、夜型、そして生活リズム次第でどちらにもなり得る中間型の3つに分けられます。
ではさっそく、チェックを始めましょう。
クロノタイプ判定シートで、該当する項目の点数を足してみてください。
【クロノタイプ判定シート】
問1. 1日のスケジュールを本当に思い通りに組むことができるとしたら、あなたは何時に起きますか。
[5点]午前5時~6時半
[4点]午前6時半~8時
[3点]午前8時~10時
[2点]午前10時~11時
[1点]午前11時〜12時
問2. 夜のすごし方を本当に思い通りに計画できるとしたら、あなたは何時に寝ますか。
[5点]午後8時~9時
[4点]午後9時~10時
[3点]午後10時~午前0時半
[2点]午前0時半~1時半
[1点]午前1時半~3時
問3. 朝起きるとき、どのくらい目覚し時計に頼りますか。
[4点]まったく頼らない
[3点]あまり頼らない
[2点]わりに頼る
[1点]たいへん頼る
問4. 朝、目が覚めてから、容易に起きることができますか。
[4点]たいへん容易である
[3点]わりに容易である
[2点]あまり容易でない
[1点]まったく容易でない
問5. 起床して30分後の食欲はどうですか。
[4点]たいへん食欲がある
[3点]わりに食欲がある
[2点]あまり食欲がない
[1点]まったく食欲がない
点数を足した結果、おおよそ10点より少なければ夜型の傾向にあります。
ここではかなり簡易的なテストを紹介しましたが、より正確に判定したい場合は、国立精神・神経医療研究センターのWebサイトで実施できます。(※2)
夜型の人は要注意
夜型タイプの人は、脂肪をエネルギー源としてあまり使えておらず、体がインスリンに応答する能力も低下しやすくなっていることがわかっています。
インスリンが効きにくくなると、血糖値を下げるためにより多くのインスリンが必要となります。
このような状態は、生活習慣病のリスクを高める恐れも。
また、夜型タイプの人は体脂肪率が高く、身体活動量や筋肉が少ない傾向がみられるようです。
脱やせメタボ!内側からスッキリする方法
やせメタボを防ぐためには、食事や運動を通して、体の内側からアプローチすることも大切です。
食べる物を見直す
1日3食を規則正しく食べるようにしましょう。
寝坊やダイエットのために欠食してしまうと、食事の間隔があくことで体が飢餓状態となり、エネルギーをためこみやすくなってしまいます。
食事は、和食を中心に糖質や脂質を摂りすぎないことが大切です。
食物繊維は血糖値上昇の抑制や、コレステロール濃度の低下などの効果も期待できるため、積極的に摂るといいでしょう。
糖質や脂質が高いお菓子類はなるべく控えましょう。
オススメのおやつはビタミンやミネラルが豊富なナッツ類などです。
筋肉を増やす
やせ型でインスリンが効きにくくなっている人は、筋肉量が少なく、筋肉の質も低下している傾向があるようです。
また、若年期に筋肉量が少ないと、高齢期以降のサルコペニアなどのリスクを高めると考えられています。
そのため、若いうちに体をしっかり動かし、筋肉量を増やすことが将来の健康リスク抑制にもつながるでしょう。
移動時は積極的に階段を使い、ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレを心がけましょう。
漢方を活用する
やせメタボ対策には、漢方薬もオススメです。
やせメタボ対策には、「脂質代謝を改善する」「余分な脂肪や糖の吸収を抑える」「余分な脂肪を便と一緒に排出する」「血流をよくして基礎代謝を上げる」といった漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
自分の体質に合った漢方を飲むことで、体内のバランスを整えて、ダイエットや健康管理に役立てることができます。
<やせメタボ対策にオススメの漢方薬>
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
体内にたまった不要物を外へ排出し、脂肪代謝を促し、肥満を改善する漢方薬です。
・大柴胡湯(だいさいことう)
ストレスや食欲を落ち着かせ、脂質代謝を促し、肥満を改善する漢方薬です。
漢方薬は自分に合っていなければ十分な効果が得られないばかりか、場合によっては副作用が生じることもあります。
スマホで気軽に相談できるあんしん漢方は、AI(人工知能)を活用して漢方のプロがあなたに合った漢方薬を見極めて自宅に郵送してくれる漢方薬のオーダーメイドサービス。
お手頃価格で試せるので漢方薬が初めての人にもオススメです。
健康的な生活習慣を取り入れよう
やせメタボの予防のためには、正しい知識を身につけて、健康的な体づくりをしていくことが大切です。
まずは、できそうな習慣から始めてみませんか?
<参考サイト>
(※1)大下 功、石原 勇、清家 功ほか「日本の女子大学生における身体活動、栄養摂取状況、クロノタイプと体組成の関連」 J Physiol Anthropol 43 , 13 (2024).
(※2)国立精神・神経医療研究センター「睡眠に関するセルフチェック」
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。