「どうしても起きられなくて、二度寝してしまった」「スッキリと目覚められず、1日中ぼんやりしてしまう」そんな経験はありませんか? 「自分はそういう体質だ」と、思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。
でも、つい二度寝してしまうのは、睡眠の質に問題があるからかもしれません。
今回は、薬剤師の中田早苗先生に二度寝の原因と睡眠の質を改善する方法などを紹介してもらったので、参考にしてみてくださいね!
つい二度寝…それは睡眠の質が悪いせいかも
つい二度寝してしまうのは、睡眠によって心身の疲労が回復していないから。
まず、睡眠時間を6時間以上とるようにしましょう。
6時間以上の睡眠時間をとっているのに、つい二度寝してしまうなら、それは睡眠の質が悪いせいかもしれません。睡眠は、量(どれくらいの時間寝たか)だけでなく、質(どれくらい満足感のある睡眠ができたか)も大切ですよ!
睡眠の質を改善して、スッキリ起きられるようになりましょう。
スッキリ目覚めるための3つの工夫
「朝、どうしてもスッキリ起きられない」「二度寝をしてしまう」という人に取り入れてほしい工夫を3つご紹介します。
出来ることから普段の生活に取り入れてみてくださいね。
カーテンを少し開けて寝る
起床後に朝日を浴びると体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整い、脳の覚醒度がアップします。
就寝時にカーテンを少し開けて寝れば、部屋に自然と朝日が入ってくるのでオススメです。
さらに、日中もできるだけ日光を浴びるように心がけることで、就寝時の速やかな入眠が期待できます。(※1)
朝食で体内時計をリセットする
体内時計をリセットできるのは、朝の日光浴だけではありません。
朝食を摂ることでも、体内時計はリセットすることができるんです。
朝食を食べていない人は要注意。「1週間程度の期間、朝食を食べないことで、体内時計が後退し遅寝・遅起き化する」という報告もあるので、できるだけ朝食を摂ることを心がけましょう。(※1)
夕方以降はカフェインを避ける
カフェインには覚醒作用があり、寝つきの悪化や中途覚醒の増加など、睡眠の質を低下させる可能性があります。
まず、1日のカフェインの摂取量合計が400mgを超えないようにしましょう。カフェイン400mgの目安は、ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)です。
さらに、カフェインが体外に排出されるまでは時間がかかるため、カフェインの摂取総量を減らすとともに、夕方以降はカフェインの摂取を避けるようにしましょう。(※1)
夕方以降に飲むなら、麦茶、そば茶、黒豆茶、とうもろこし茶、その他カフェインを含まないハーブティーなどがオススメです。
睡眠改善に役立つ食材は?
日々摂取する食材にちょっと工夫を加えることで、睡眠の質を改善することもできます。
ここからは、睡眠改善に役立って、毎日の食事に取り入れやすい食材をご紹介します。
“地中海食”で睡眠の質をアップ!
“地中海食”とは、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な料理のこと。
魚、野菜、果物、ナッツ・豆類といった食材が使われるのが特徴で、これらの食材を使った料理が、睡眠の質の改善につながるといわれています。
肉メインの食生活の人は魚も食べるようにしたり、おやつを果物に置き換えたりして、日々の生活に地中海食を取り入れましょう。
漢方薬も活用するのがオススメ
いきなり食生活や生活習慣を見直すのが難しいという人は、漢方薬でカラダの内側から睡眠の質の改善を目指すこともオススメ。
漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善を目的としています。
睡眠の質を改善するには、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう!
<睡眠にお悩みの方にオススメの漢方薬>
・加味帰脾湯(かみきひとう)
体は疲れているのに眠れない人にオススメ。血行を改善し、体力を回復させるとともに、脳にも栄養を届けて精神を安定させることで眠りに導きます。
・酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身が疲弊して弱っている人にオススメ。神経症や不眠症に用いられます。体にこもった熱を冷まして潤いを与えることで、心を落ち着かせて眠りのリズムや熟眠感などを整えます。
漢方薬は症状の原因や体質に合わせたものを選ぶことで効果を感じやすくなりますが、逆に自分の体質に合わなかった場合、思わぬ副作用が出ることがあります。
たくさんの漢方薬の中からどれが一番合っているか見極めるには、漢方薬に精通したプロの力を借りましょう。
最近は、自宅からオンラインで漢方薬の専門家に相談できる「あんしん漢方」というサービスもあります。漢方薬に精通した薬剤師がAIを駆使し、あなたにぴったりな漢方薬を選んで自宅に郵送してくれるので、チェックしてみてください。
睡眠の質を改善して脱二度寝!
つい二度寝してしまう背景には、睡眠の質が関係しているかもしれません。
質のいい睡眠をとるためには、朝日を浴び、食生活を見直すことで生活時計をリセットしましょう。夕方以降のカフェインは避けるようにしてくださいね。
これらにくわえて、漢方薬を使うのもオススメです。
睡眠の質を改善し、スッキリ目覚めることで、充実した毎日を過ごしましょう!
<参考サイト>
(※1) 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。