「朝晩の冷え込みがつらい」「寒くて体の芯まで冷えてしまう……」こんな悩みを抱えるみなさんに、ぜひ試してほしいのが湯たんぽを使った温活です。
ぽかぽか温まる湯たんぽには、美容と健康に嬉しい効果がたくさん! お湯を入れるだけなので手軽ですし、快適な眠りに導く効果も……!?
今回は一般社団法人日本サプリメント協会理事長の後藤典子先生に、湯たんぽを使った効果的な温活術を教えてもらいました。
体を温めると起こる3つのいいこと
湯たんぽで体を温めることで期待できる、嬉しい変化を3つ紹介します。
免疫力がアップする
体を温めると免疫力がアップし、風邪などの感染症にかかりにくくなるといわれています。免疫細胞は血液によって運ばれた酸素や栄養を受けとったり、二酸化炭素や老廃物を血液に回収させたりします。体が温まって血流がよくなると、この流れがスムーズになるため免疫力アップが期待できるのです。
幸せホルモンが増える
体を温めると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが増えるといわれています。 セロトニンは心の安定やリラックス効果をもたらし、ストレスを軽減するホルモンです。
また、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの原料にもなるため、睡眠の質をよくするうえでも大切だと考えられています。
やせやすくなる
体を温めると基礎代謝が上がるため、やせやすい体質になります。 基礎代謝とは生きるうえで必要な最低限のエネルギー消費量のことで、 基礎代謝が高いほど脂肪が燃焼しやすく太りにくい体質だといえます。
基礎代謝を高めるには、運動をしたり温かい飲食物で胃腸を温めたりするのも効果的です。運動や食事と併せて湯たんぽを活用し、やせやすい体づくりを目指しましょう!
『湯たんぽ』は最強の温活アイテム!
お湯の入った湯たんぽは高い熱量を持っており、2リットルの湯たんぽに80度台のお湯を入れると、中のお湯が冷え切るまでには約13万カロリーもの熱量を放出するといわれています。 これは使い捨てカイロや電気毛布よりもはるかに高い熱量であり、長時間じんわりと体を温めることが可能です。
また、湯たんぽには時間が経つにつれて徐々に温度が下がっていく特徴があり、私達の自然な睡眠をサポートするのにも有用です。人は深部体温が下がると眠くなり、眠っている間に少しずつ体温が下がっていきます。湯たんぽの温度変化を上手に活用して、健やかな睡眠を手に入れましょう。
湯たんぽを使った温活のコツ
湯たんぽは、3〜5分程度を目安にこまめに場所をずらしながら当てるようにしましょう。汗をかくと体が冷えてしまうため、汗をかかないうちに湯たんぽを離すのがコツです。体の芯から温めるには、大きな筋肉や血管が集中している部位を温めることが大切です。
なお、低温やけどを防ぐために、湯たんぽは必ず専用カバーで包みましょう。寝るときに使う場合は、布団が温まったら布団の外に出して寝ると安心です。
湯たんぽで温めるべきはココ!
効果的な温活のために、重点的に温めたい部位について解説します。
おなか
湯たんぽでおなかを温めると、体の隅々まで効率的に温めることができます。おなかには胃や腸、肝臓など重要な臓器が集まっており、それらの臓器には血液を供給するために多くの血管が分布しているからです。全身の血行を促し、内臓の働きをよくするために、しっかりとおなかを温めていきましょう。
太ももの前面
太ももの前面にある大腿四頭筋は、体の中でもとくに大きな筋肉のひとつです。大腿四頭筋はひざの屈伸や立ち上がるときに使う筋肉で、基礎代謝の向上や冷えの改善を目指すうえでも重要な筋肉です。太ももの前面をよく温めて、大腿四頭筋の血流を改善しましょう。
お尻
お尻には多くの血管が通っているため、温めるとお尻の局所的な血行がよくなるのはもちろん、全身の血行改善にもつながります。長時間座っている人は、足の血管が圧迫されて下半身の血行が悪くなりがちです。脚の冷えが気になる人は、お尻を温めましょう。
二の腕
手指の冷えや腕のむくみが気になる人は、二の腕を温めるのがオススメです。二の腕の上腕二頭筋と上腕三頭筋の血流がよくなると、冷えがちな指先まで効率的に素早く温めることができます。
体を内側から温めるなら漢方薬もオススメ
体を芯から温めるなら、根本改善を目指す漢方薬もオススメです。冷えの原因は気温の低下だけでなく、熱を作る機能の低下や血行不良、水分代謝の乱れ、ストレスなども挙げられます。
そのため、温活には「水分のかたよりを調整して冷えを解消する」「胃腸の働きや代謝をよくして熱を作り出す」「血流をよくして熱を巡らせる」「自律神経を整えて冷えの原因となるストレスを軽減する」などの働きがある漢方薬が適しています。
<冷え対策にオススメの漢方薬>
・人参湯(にんじんとう): 胃腸を温めることで、消化器機能を高めて手足やおなかの冷えに働きかけます。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):血流をよくして手足の冷えに働きかけるとともに、体の冷えにも働きかけて冷えによる頭痛などの痛みを改善します。
漢方薬を服用する際には、自分の症状や体質に合ったものを服用することが重要です。不適切なものを飲んでも効果が得られず、思わぬ副作用につながる場合もあるため注意しましょう。
適した漢方薬を見極めるには、漢方薬のプロに相談すると安心です。スマホひとつで手軽に漢方相談ができる「あんしん漢方」などのオンラインサービスを活用すれば、薬剤師がAIを駆使してあなたに合った漢方薬を提案してくれますよ。
湯たんぽ温活でぽかぽか健康に!
湯たんぽを使った温活は体を芯から温め、免疫力アップや美容効果なども期待できます。おなかや太ももなどを重点的に温めると、より効果的な温活ができますよ。根本的な冷え改善を目指すなら、漢方薬も併用するのがオススメです。温活で心も体もぽかぽかと、寒い毎日を快適に過ごしましょう!
<この記事の監修者>
一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
Youtubeチャンネルで健康リテラシー向上のための情報を発信している。
2023年よりSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品ののぞましい発展を支援する活動をしている。
●Sフードプロジェクト:https://s-food.net/