人生は日常の小さな選択の積み重ね。特に30代は、大きな決断を求められることもしばしば。そんな人生の分岐点で、今を自分らしく生きる女性たちはどんな選択をしてきたのか? これまでのストーリーを聞いてみた!
Shucoさん
ヘアスタイリスト/毛髪診断士
パリを拠点に世界各国を飛び回り、コレクションやファッション誌で活躍。そして31歳、ライフスタイルを見直すべく帰国。現在はこれまでに得た経験や技術を活かしたライフワークへとシフト中。
経験を積んだ20代、それが形になってくるのが30代
――ご自身の髪へのコンプレックスがヘアメイクの世界に目を向けるきっかけに?
「小3のとき、円形脱毛症になってしまって。中学、高校と、自分の容姿にネガティブな意味で気を取られていたんです。その反動か海外のファッションシーンに憧れがあり、ファッション雑誌やコレクション映像をよく見ていました。そこでヘアメイクアップアーティスト、ケヴィン・オークインの写真集に出合って感銘を受けました」
――当時はメイク志望だったんですね。短大と専門学校の両立は大変そうです。
「最初は親の理解も得られなくて、専門学校なんて……という雰囲気。グラフィックデザインやカメラを学べる短大へ進学するんですが、メイクの道を諦めきれず、夜間で専門学校に通わせてもらいました。そんな中、神戸コレクションなどのショーを手掛ける制作会社でアルバイトをすることに。会場には第一線で活躍するヘアメイクさんが大勢いらっしゃって、そのアドバイスを参考に短大卒業後はヘアサロンに就職。並行して美容師免許を取るべく通信の学校にも通いました」
――フランス留学のきっかけは?
「アシスタントとして撮影現場に入る機会があり、そこで先輩から『ヨーロッパの撮影は、今見ている撮影とまた違うよ』と言われて。若かった私は“本物を見たい”という好奇心だけでフランスへ強行(笑)。すぐにフランスが気に入ってしまい、サロンを辞め半年後には留学。そして撮影現場で、“ヘアスタイリスト”という仕事の面白さに魅了されました。髪1本のあるorなしで、印象がガラッと変化する。そんな繊細な技術や、知識が必要な仕事は、私の性格的にも向いているような気がして。メイクからヘアへと道が切り替わったときでした」
――すごい行動力ですね! ぜひ30代女性にメッセージをお願いします。
「真面目に頑張っているなら大丈夫! 今までやってきたことに自信を持って、やりたいことにどんどん挑戦して欲しいです」
SHUCO’s HISTORY
挑戦だった「TRESSE」
フランス人女性のようなラフなスタイリングでも、サマになるヘアアクセが作りたい、と設立したブランドは自分の資金でスタート。ときには思いきりも必要なのかもしれないですね。
刺激をくれる旅
訪れた場所の景色や歴史、空気感にはいつも感動させられます。現地の人との何気ない会話にも新しい気付きがある。例え言葉が通じにくい場合でも対話から学ぶことは多いです。
YouTubeを開設
日本に帰国して6年が経ち、求めていた自分らしい生活がようやく見え始めた頃。美容、家、食事、旅……日常の楽しみを私らしく発信してみよう! と新しいチャレンジ。
海外でのお仕事
トップクリエイターたちが引っ張ってくれたおかげで大きな仕事がたくさん舞い込み、その経験は私の財産に。一方でシビアな現場でのハードワークが重なり徐々に心身は疲弊。ワークライフバランスを考えるきっかけに。
日常を楽しむ
家族や友人と過ごす時間を大事にし、身の丈にあったものを持ち、季節の花を飾る――そんなフランス人の生活に根付いた、日常の楽しみ方が好き。現地で学んだことが今でも役に立っています。
ケヴィン・オークインの写真集
写真の中では、誰しもが美しく華やかにビフォー・アフターを遂げていて。そんな風にポジティブな印象を作る仕事がしたいと思わせてくれた、90年代を席巻したアーティスト。
まだ失敗してもいい30代!
今まで自分がやってきたことに自信を持って
どんどん挑戦してほしい。
Gina 2023-24 Winter
Edit&Text_Mio Nemoto ReEdit_Mie Takenouchi〈Gina〉