大阪の都会で育ち、東京で働いていた私は
いわゆるシティーガール。
田舎暮らしの祖父母が居る訳でもなく、
自然との接点といえば
毎年家族でキャンプに行くのがとっても好きだった程度。
田舎に多少憧れながら
ごく平凡な都会の暮らしをし、大人になった。
そんな私が
オーストラリアで生活をし
その上、数週間バンライフを送り
ウルルまで辿り着くなんて
今思い返しても、夢のような時間だった。
オーストラリアでよく目にする光景の一つが
バンライフを送っている人たち。
そのクオリティは高く
もはや車の域を超えて、立派な移動式住居。
( バンを改造していたり、キャンピングカーも多い )
そんな生活に憧れて
絶対にする!と心に決めてから半年。
パートナーと共にバンライフの旅に出ることに。
車をバンに買いかえ、車の中を改造して
ベッドと、必要最低限の荷物を詰め込んだ
簡単に、だっだけど、憧れの移動式住居が完成。
そして夢の大冒険がスタート。
まず、とにかく大半は何もない。
街灯もなければ、もちろん街も建物もない。
そして、そんな場所に電波もない。
ただただ、果てしなく広大な大地と
私たちをまっすぐ内陸へ導く一本の長い道が続いている。

_ どこまでも続く渇いた一本道
内陸に進めば進むほど
乾燥が進み、灼熱の一本道。
道の端には、バーストして破裂したタイヤがごろごろ。。。
みるみるうちに景色は砂漠っぽく。
土は赤土になり、空はどこまでも広い。
ただ真っ直ぐ1日1000キロ運転する日も。
500キロ先にしかガソリンスタンドがない場所もあり
ガソリンタンクは必需品。
文明が進んだこの令和の時代に
地図を広げて、目を凝らす。
必要最低限で、とてもシンプルな時間。
目の前に広がる未知の世界に
もう2度と経験できないかもしれないと、
瞬間瞬間を噛み締め、目に焼き付けました。
落ちてきそうなほどの広い星空を見上げて
うるっときたロマンチックな夜。
少し寒くて焚き火を眺めぼーっとした時間。
静寂と暗闇に包まれる夜。
道端で作ったご飯。
たまにすれ違う対向車のドライバーと
よっ、と手で合図を交わす瞬間。
ハエにたかられる彼が被った洗濯ネット。
トランクを開けて車の中で電気をつけていたら
車内いっぱいに集まった虫たちと、私の悲鳴。
永遠と続く一本道と どこまでもついてくる太陽。
目の前にあるのに追いつけない沈んでいく夕日。
そのどれもこれもが、夢の中にいるようで
二人で別世界にでも来たんじゃないかというような、不思議な感覚。

_ 夕暮れ時の穏やかで静かな時間
ウルルに着くまでの4日間のドライブで
もうすでにお腹いっぱいの貴重な経験をした。
思うに、何かを成し遂げる時、
その過程こそが一番豊かな経験であり、
貴重な時間ではないだろうか。
何かを達成した時、
私がいつも思い返すのは、そのために努力したり 費やした時間。
目標を達成することだけが全てではない。
達成しても 出来なくても
その道中にこそ、大切なものはたくさん転がっている。
人には、夢見た世界を日常に変えてしまう力がある。
たった一歩踏み出すだけで
どこにでも行けるし
なんだってできる。
人間として生まれ、生きているということは
ちっとも普通のことではなく
まるで奇跡で、素晴らしいことだと思うんです。
あなたがこの文章を読んでいる
なんてことない今日でこそ、もはや大変な奇跡で、
( このブログに出会ってくれてありがとう )
その与えられた奇跡の時間は
誰がなんと言おうと、あなたのもの。
どう過ごすかは、自分の好きなようにしたらいい。
正解なんてやってみないとわからないし、
やってみて、正解にしたらいい。
また話がズレてしまったけど
言いたいことは、
夢見ることができたなら
その世界は
もうすでにあなたの手の中にある。
_ 2018年10月3日 ウルルにて
廣田瞳
Instagram @hitomi_hirota