「これって正常？」誰にも聞けない【おりもの異常診断】

「生理前じゃないのにおりものの量が多い……」「ちょっと臭いがきついかも？」いつもと違うおりものに悩んだことはありませんか？　おりものの異常には、病気が隠れているかもしれません。

今回は、薬剤師の碇純子先生におりものの異常の見極め方を教えてもらいました。おりもののセルフケア方法も紹介してもらったので、ぜひ参考にしてくださいね！

おりものの役割って？

おりものには膣の自浄作用があり、女性の体にとても大切なものです。おりものは膣内のうるおいを保ったり、細菌が膣内に入るのを防いだりしてくれます。膣内の汚れを排出して、膣内をきれいにするのもおりものの大事な役割です！　また、精子が子宮にスムーズに到達するよう受精の手助けをする重要な役割も担っているんです。

「正常なおりもの」ってどんな状態？

正常なおりものがどのような状態なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。臭いや色、状態別に紹介します。

臭い：無臭または少し酸っぱい臭い
色：透明または乳白色
状態：サラサラまたは粘性のある液体

おりものの量は、生理周期によって増えたり減ったりします。「おりものの量が増えたかも？」と思っても、おりものシートで対応できる量であれば問題ありません。

こんなおりものには注意！ 

普段のおりものと臭いや色、状態が異なっていたら要注意！ 　注意すべきおりものの特徴を紹介します。 

➀血が混じっている 

おりものに血が混じると、茶色くなります。茶色のおりものが出る場合には、不正出血の可能性があるため注意が必要です。

不正出血を起こす可能性が考えられる病気は、以下のようなものがあります。
・子宮筋腫
・子宮頸がん
・子宮体がん

生理の前後に茶色いおりものが出る場合には、経血による可能性が高いため問題ないと考えられます。気になるときは、病院で相談してみてくださいね。

➁黄色や緑がかっている 

下着やトイレットペーパーについたおりものが黄色や緑がかっている場合には、膣や子宮、卵巣の病気が隠れている可能性があります。可能性のある病気には、以下のようなものがあります。

子宮・卵巣に関する病気
・子宮内膜炎
・卵管炎
・子宮頸管炎

膣の炎症に関する病気
・細菌性膣炎
・淋菌感染症
・膣トリコモナス症
・萎縮性膣炎

下着についたおりものが乾いて黄色く見えることがありますが、それは問題ありません。乾いていない状態のおりものを確認するようにしましょう。

➂白っぽい塊が出る 

豆腐のかすのような白い塊や、クリーム状のおりものが出た場合には、カンジダ膣炎にかかっている可能性があります。強いニオイやかゆみなどの症状もある場合には、すぐに病院を受診しましょう。

➃臭いが強い 

おりものの臭いが強い場合、以下のような病気が隠れている可能性があります。
・細菌性膣炎：生ぐさい臭い
・膣トリコモナス症：魚の腐ったような臭い
・萎縮性膣炎：強い臭い

臭いの種類にも気をつけてみてください！

⑤水っぽくて大量に出る 

排卵期や生理直後以外で水っぽいおりものが大量に出る場合には、以下のような病気の可能性があります。
・細菌性膣炎
・性器クラミジア感染症
・尖圭コンジローマ
・膣トリコモナス症
・膣カンジダ症
・卵管がん
・卵巣がん
・子宮体がん

排卵期とは、生理が始まった日から2週間後くらいの時期にあたります。また、胃腸が弱っている場合にも水っぽいおりものが出ることがあります。その際は、食事や生活習慣を見直して、胃腸を労ってあげてくださいね。

⑥泡のようなものが出る

泡立ったようなおりものが出た場合には、膣トリコモナス症にかかっている可能性があります。膣トリコモナス症にかかると、おりものの悪臭も伴います。おりものが泡立っていて悪臭がある場合には、すぐに病院を受診してください。

異常かな？ と思ったら婦人科を受診して！

おりものに違和感を覚えたら、婦人科を受診しましょう。病気が原因であった場合、放置すると病原菌が膣から他の器官へ広がって、感染や炎症を引き起こしてしまう可能性があります。

婦人科では、問診やおりものの細菌検査などが行われます。病院を受診して、問題がなければ安心できますよね。気のせいかもしれない……と遠慮せず、気になる症状があればすぐに婦人科の受診をオススメします。

おりものの不安には漢方薬によるセルフケアも 

おりものの異常は、生活習慣の乱れが原因となることがあるため、睡眠や食生活の改善などでセルフケアすることができます。忙しい人には、漢方薬の活用もオススメです。疲労やストレス、ホルモンバランスの乱れ、デリケートゾーンへの血流不足などがおりものの異常の原因と考えられています。その対策には、以下のような作用を持つ漢方薬を選び、根本改善を目指します。

・自律神経を整えてストレスが原因のおりものを軽減する
・ホルモンバランスを整える
・水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する
・血流を改善して膣に栄養を与え、自浄力作用を回復させる
・胃腸の働きを改善して抵抗力を高める

おりものの不安に用いられる漢方薬には、以下のようなものがあります。

・温経湯（うんけいとう）
生殖器を巡る血液（栄養）と気（エネルギー）の流れをよくすることで、下腹部を温めておりものに働きかけます。手足がほてり、唇が乾く人にオススメです。

・竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）
生殖器系・泌尿器系にたまった余分な熱を抑えることで、炎症やかゆみに働きかけます。おりもののほか、排尿痛、残尿感、陰部のかゆみなどを改善します。

漢方薬は、自分に合うものを選ぶことが重要です。体に合っていないと、十分な効果が得られないだけでなく、副作用が生じることもあるのです。漢方薬に詳しい薬剤師がAIを使い、最適な漢方薬を見極め、手頃な価格で自宅に郵送する「あんしん漢方」のようなオンラインサービスもあるので、忙しいaround30女性にもオススメ！ 気になる人は気軽に相談してみてください。

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おりものの異常はすぐに対処しよう！

おりものの臭いや色などの変化には、大きな病気が隠れていることがあります。自己判断せず、婦人科を受診して体に異常がないか調べてもらいましょう。また、おりものは生活習慣の乱れによって変化することもあるため、規則正しい生活やストレスケア、漢方薬の活用などで根本的な改善も視野に入れてくださいね。