Ginaが提案してきた女性像は、一貫してカッコイイ人。そんなGinaらしいスタイルを、ファッションのアプローチで築いてきたのが加藤由唯さん。インタビューを通して、改めてGina流のカッコイイの作り方を教えてもらいます。
創刊から12年間、Ginaの基盤を支えてきたスタイリストの加藤由唯さん。Ginaが目指す女性像を体現するファッションには、シンプルをオシャレに見せるテクニックと、“内面の強さ”がカギでした。
スタイリスト 加藤由唯さん
モノトーンを軸に、シンプルなのに洒落て見えるスタイリングに定評あり。Ginaでは創刊からカバーや特集を担当。モデルやアーティストからの指名も多い。
“内面の強さ”があればシンプルな服もオシャレに見える
栗田:加藤さんには創刊からずっとGinaを支えてもらいました。2011年の創刊時は洋服もゴリゴリに強いし(笑)、メイクも赤リップが全盛ですね。
加藤:黒に赤に、そしてヒョウ柄(笑)!
栗田:最初はどういうスタイルがGinaっぽいのか誰も分からない中で、それを具体的に形にしていってくれたのが加藤さん。シンプルなのに洒落て見えるのは、昔も今も変わらず、Ginaスタイルの基盤です。
加藤:“THEギャル”みたいな感じにはしたくなくて、私も探り探りでした。でもアイテムは変わっても、シンプルという軸自体はずっと変わっていない気がします。
栗田:当時はタフで尖った感じの“強い女”というのがテーマでしたよね。見た目で武装するというか、とにかく洋服が強かった。そこから年齢を重ねる中でにじみ出る“内面の強さ”みたいなものに、媒体として目を向けるようになったんです。“内面の強さ”があれば、シンプルなファッションでもオシャレに着こなせるよねって。
加藤:ファッションでも抜け感を意識するようになって、シルエットもどんどんゆるく、そぎ落とす方向になっていきました。
栗田:『「カッコイイね!」が褒め言葉』というキャッチコピーを作ったときも、男性から「カワイイ」と言われるよりも、女性から「あの人、カッコイイよね」と言われる人って素敵だよねという話を編集部でしていて。その理想を体現してくれるモデルが多いのも、Ginaの強みだと思っています。
加藤:たしかにシンプルな白Tとデニムでも、自分らしさがある人ってカッコイイ!
“抜け感を意識するようになって着こなしの幅が広がった気がします”
「“内面の強さ”に目を向けるようになったGina。シンプルという軸は持ちつつ、ファッションも抜け感を意識するように。過去と今でシルエットが全然違う!」
Gina 2023-24 Winter
Photo_Still:Daisuke Kusama Edit&Text_Kana Hirota ReEdit_Ayaka Ono〈Gina〉