「ちゃんカナ」ラストを飾るのは編集長・栗田と夏南ちゃんのクロストーク。Gina誕生秘話をはじめ、最後だからこそ語る夏南ちゃんからGinaへの感謝の思い。一緒に歩んだ2人が等身大の笑顔で12年を振り返ります。
KANA + GINA CHIEF EDITOR
栗田 Ginaの読者って面白くてね。ファッション誌で絶対に人気とされる、コスパ企画や着回し30daysみたいな企画はGinaではそこまで反響がなくて。逆に過去にすごく人気だったのは、黒のライダースと黒のブーツだけをひたすら紹介するっていう他にはあまりない特集。例えば、一般的な靴企画ではトレンドを網羅するために、いろいろなデザイン・色を幅広く掲載するのが普通のやり方なんだけど、Gina系の女子って結局、黒い靴しか履かないよなぁ……と思って、思い切って黒に絞ったの。それに合わせて当時流行っていたライダースと、黒ブーツだけで6ページ。正直、興味のない子からすると似たようなものばかり載っているからきっと面白くないと思うんだけど、Gina読者には同じようなライダースでもジップのありなしや、サイズ感の違いを比較できるとあって、ばっちり刺さったんだよね! そのときに、Ginaは全員に受けようとしなくていいと実感。欲しい情報がいわゆるマスな層とは少し違うのかなって。メジャー路線ではないけれど、Ginaの世界観が好きな子たちは昔も今も一定数いて、世の中的に流行っている情報ではなく、Ginaの子たちが見たい・知りたい情報だけを載せればいいって。その表現者として自然体で自由な夏南ちゃんの存在があった。実際に、夏南ちゃんのファンの子はみんなオシャレで、その延長線上にGinaの世界観を楽しんでいそうな子がたくさんいるよね。
夏南 そうそう。最近、ファンの子に会う機会も多いんですけど、みんなオシャレなんだよね!
栗田 素顔の夏南ちゃんを好きな子が多いから、自然と好みも似てくるのかもね。夏南ちゃん自身は何も変わらないけど、何となく髪を切った辺りから、より力が抜けて今の自然体な姿になった気がするかも。
夏南 そうですね。やっぱり髪が長かった頃は求められるイメージと本来の自分とのギャップも大きくて。自分でもどうしていいか分からなくて、そのギャップを近づけようと思って髪を切ったところもあったと思います。
栗田 ちゃんとそれは届いている気がする。今の夏南ちゃんのファンからはファッションや見た目だけでなく、夏南ちゃんの言葉や考え方含め、中身から好きな感じが伝わってくるよね。
夏南 でもそれはほんと“ラッキー”というか、選んだこの道が合っていて良かったというか。私も昔はトレンドど真ん中の雑誌に出させてもらっていたし、メジャーな世界で勝負したいと思った時期もあった。でもあまり向いていないと感じて、ちょっと心が折れそうになって。そうやってもがいていく中で、自分にしかできない仕事をもらえるようになったらいいやと思えるようになったら、吹っ切れたんですよね。手当たり次第に全部を手に入れようとするのはやめて、私らしく進み続けて、それを求めてくれる人に答えようって。そう思えたときに、ちょうどGinaから声をかけていただいたんです。ああ、これで良かったんだってものすごく安心しました。タイミングが合うときって絶対にある! みんなに分かってもらわなくてもいい、なんてことは思わないけれど、分かってもらうまで時間がかかってもいいとは思う。自然とあるべきところに収まるからそれまで気長に待とうかなって。それこそ全部を欲しがると失うものが多いということを、わりと若い頃に感じられていたのは大きかったかも。そう思えたのも、いろいろなお仕事をやらせてもらえていたからであって、今にたどりつくためにもすべては必要なことだったんだなと思います。
栗田 その話を聞くと、あのタイミングで夏南ちゃんと一緒にGinaを作ることができてよかったな。
夏南 Ginaは心地良さもそうだし、ありのままを求められてそれが正解とされる場所。もちろんどんな仕事でもオファーをいただけるのはとてもうれしいけど、等身大でいることをOKとしてくれるのはありがたかったです。無理がなく、本来の自分とのギャップがない場所っていうのはものすごく安心する。最後の撮影だって、気負わず、私たちらしく、自然体でいつも通りの撮影でしたもんね。でもさすがに撮影後の栗田さんのインタビューは涙腺にくるものがあったなぁ。
栗田 こちらこそ、ステキなお花をいただいてありがとう。紙での発売は一旦幕を閉じるけど、引き続きWebもあるし、新しいことにチャレンジしていくつもりだから、そのときはまたよろしくね。
夏南 きっとまたすぐに会えますもんね!
栗田 より大人になった夏南ちゃんに会うのが楽しみだな。紙であろうとWebであろうと、ここでしか見られないような、Ginaらしい情報を届けようという気持ちはずっと貫いていきたいな。でもそれはね、夏南ちゃんから学んだところが大きいんだよ。夏南ちゃんはよくインタビューで「心地良い」って言葉を使うでしょ? 洋服を選ぶとき、コスメを選ぶとき。人間関係も心地良い人と一緒にいるって。それは、自分が無理しない、自分らしくいられるっていうことだと思うんだけど、無理に自分の軸を広げないという意味でもあるのかなって。それをGinaに置き換えたときに、万人受けするためにあえて幅を広げなくてもいいと思えたの。最初は読者層を絞ると、雑誌が売れなくなっちゃうかなとか不安だったけど、決してそうではなかった。「自分が心地良ければそれでいい」と夏南ちゃんが言っていた言葉は、本当にそうだなと思って。おかげさまで、Ginaの読者はちゃんと自分の好きを分かっている子が多いから、これからもGinaはGinaらしく、我が道を進みます!
夏南 そうだよ、今のままのGinaが愛されるんだと思います!
栗田 ありがとう。最後に、夏南ちゃんが考えるカッコイイ女性像を教えて!
夏南 私は、“自分の好きを知っている人”かな。好きがこの先変わってもいいし、変わらなくてもいい。だけど、自分の好きを知りたいと思い、知ろうとしている人が素敵だな。栗田さんは?
栗田 私も自分の好きなものや、やりたいことを持っている人かな。そして、そこに向かって突き進める人。この号の巻頭のインタビューページで、夏南ちゃんへのキャッチコピーを「自分の好きに正直に、私らしい道を突き進む人」って書いたの。好きなことにひたすら邁進していく姿ってカッコイイなって。媚びることもなく、無理に好かれようともしない。自分がいいならそれでいいって意志を貫くことは決して簡単なことではないと思う。でも自分の軸があれば怖くないし、私らしさを持っている人はカッコイイ。夏南ちゃんから教わったこのメッセージを今後も伝え続けていきたいな。
夏南 みんなが“好き”を見つけられたら、最高だよね! 最後に、栗田さん、そして「ちゃんカナ」を応援してくれたみなさん、今までありがとうございました。やりたいことを自由に、私らしさをありのままにお届けした連載、楽しんでもらえていたらいいな。残念ながら今回で一旦「ちゃんカナ」は終了しますが、またいつか会える日まで♡
Gina 2023-24 Winter
Model_Kana Oya Photo_Takashi Yoshida Styling_Miki Sayama〈LOVABLE〉 Hair_Keiko Tada〈mod’s hair〉 Make-up_Aiko Ono Interview_Nirai Ikeshiro Edit&Text_Kaori Kurita〈Gina〉 ReEdit_Ayaka Ono〈Gina〉
*商品の表示価格はいずれも税込み価格となります。