私たちが今、一番目指したい人・Life’s /TODAYFULディレクターの吉田怜香さん。魅力を挙げたらキリがないけれど、磨かれたセンスや自然体でもカッコイイところ、でも実はお茶目な面もあり、オープンマインドで愛がある。そして、無駄はないけど余白はある。
令和のハンサム女子的MUSEは間違いなくこの人。そんな怜香さんを形作っているものって?
フラットでいられるのは、自分の心地良さを求めた結果
人との接し方に関して自分では意識はしていなくて、元々の性格だったりするのかなって思うけど、オープンでいた方が、自分が楽だからそうしているところはありますね。人に自分のことを知ってもらうのが好きなのかもしれない。自分自身、人間らしい人が好きなんです。悔しいこととか嫉妬心とか、人にはそういうものって少なからずあるから、キレイごとしか言わない人よりもそういう感情が見える方が「人間らしいな、信頼できるな」って思うんですよね。だから自分も感情を共有することに対してカッコ悪いなって思う感覚はなくて、むしろカッコつけちゃう方がしんどくなるから、常に素でいるのかもしれないですね。
これは恋愛においても同じスタンスで、ラインのやりとりなんかは多少乙女になるけど、基本はいつも通り。旦那さんも同じようにフラットだから居心地が良い人。カッコつけない人の方が接しやすいし、誰でも、相手の人間らしさを知るからこそ、愛しく思えるものだと思います。
大事にしているのは、自分が生きやすいように生きること
好き嫌いがはっきりしているからこそ、今まで、とにかく自分が好きだなって思った物事だけを選び続けてきました。金銭的に制限があった若いときでも、自分の生活水準なりに好きなものだけを選んでいて。あの頃に比べたらその選択肢の幅は広がったし、より良いものを選べるようになったけど、自分的には何も変わっていなくて。ただ、好きな服を着て、好きなメイクをして、好きな仕事に真摯に向き合う。そのスタンスは変わっていないんです。20代の頃から比べても30代の今は思考もファッションも、よりシンプルな方が心地良いと思うようになりました。いらないものは削ぎ落としていきたいし、そこに生まれる余白を大事にしたい。
心地良さを突き詰めると、そのときの自分なりの正解が決まればそれで良いと思っていて。例えば、お気に入りのコートがあるなら、毎シーズン新しいコートを新調せずずっと同じものを着れば良い。私の服作りもそういう思考に変わってきていて、自分が週4これで良い、と思っているのと同じように、その意図をブランドからお客さんにも届けたいし、たくさん持つ必要はないってことをこれから伝えていきたい。服屋の立場で言うことではないですが(笑)、30代になってからは「必要以上の服はいらなくない?」って思うように。それよりも長くその人に寄り添える上質な一着を届けたい。ミニマリスト気質なところがあるのかも。家にまったく物がないかって言われたらそうじゃないけど、自分が必要ないと思ったものは潔く手放せるようになりました。そうすることで新しいものと出合うことが出来たり、思考がクリアになる。これから先、もっとシンプルになっていくかもしれないですね。
Gina 2022-23 Winter
Photo_Takahiro Otsuji Text&Edit_Kanako Kurokawa (Gina) ReEdit_Ayaka Ono(Gina)