昨年、我らがミューズの大屋夏南ちゃんが結婚をし、特集ページは大反響となりました。
私もページを担当させてもらいましたが、撮影中も終始幸せそうな姿を見ていると、自分のことのようにうれしく、とても温かい気持ちになりました。

夏南ちゃんとのお付き合いはGinaが始まってからなのでもう10年。
今回は夏南ちゃんとの思い出を綴っていきたいと思います。
「カッコイイ大人の女性」をコンセプトに、新しい雑誌を立ち上げようと、前編集長と企画を始めたのが2010年。元々「JELLY」という雑誌を制作していたのですが、今までとは違うジャンルに飛び込んでいった新参者の私たちは、借りられる洋服ブランドが見つからず、出演してくれるモデルさんも集まらず……意気揚々とスタートしたものの、いきなり壁にぶち当たり一旦ストップ。
やや途方に暮れていた頃、前編集長から「モデルの大屋夏南ちゃんが出演OKしてくれたよ!」と報告がありました。本人からは「どんな雑誌かはまだ分からないけれど、私を必要としてくれているなら、ぜひ協力させてもらいたい」と言ってくれたそうで、その言葉が本当にうれしかったのを今でも鮮明に覚えています。
またその気持ちを決して裏切らないよう、夏南ちゃんのためにも素敵な雑誌を作るんだ!と決意を新たにした瞬間でもありました。

これをきっかけに「夏南さんが着てくれるなら」とアパレルブランドさんが洋服を貸してくれるようになり、「夏南さんが出るなら」と他のモデルさんも了承をもらえるようになり……本当に夏南ちゃんがきっかけで少しずつ道が開けていき、徐々にGinaを知ってもらうことができました。
まさに女神というか、夏南ちゃんがいなかったらGinaはできなかったと言っても過言ではありません。

それから10年間、いろんな撮影――早朝から遠くへ行ったり、極寒・灼熱のロケをしたり、弾丸で海外に行ったり。また人気企画となった連載「ちゃんカナ」、書籍「K」も一緒に作らせてもらいました。
私は毎号、Ginaをつくる際「カッコイイ大人の女性」をイメージするときは、いつも夏南ちゃんのことを考えます。最近のファッションは? 今どんなものに興味を持ってる? SNSでは何を発信してる?
いつだってGinaのアイコンは、やっぱり夏南ちゃん!
Ginaが目指したい、オシャレで、カッコ良くて、チャーミングな女性像を自ら体現してくれている、まさにミューズです。

時代とともに“カッコイイ女性”の理想像は変わっていくけれど、良い意味で変わらず、“らしさ”を持って歩む姿は年下ながら学ぶところがたくさんあるし、単純に憧れる。
そんな女性に、私もなりたい――
Ginaを作りながら私自身も勉強させてもらっている、まだまだ「カッコイイ女、見習い中」な編集長なのです。