2023.12.19

［自分を大切にする方法って？］セルフ・コンパッション徹底解説

「セルフ・コンパッション」という言葉を初めて耳にした人も多いのではないでしょうか？　セルフ・コンパッションとは、自分を大切にする方法のこと。仕事や家庭だけでなく、日々の生活のなかでの些細な出来事や将来への漠然とした不安など、知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまう人も少なくないありません。

今回は、ヨガインストラクターの高橋かなこさんに、このセルフ・コンパッションについて詳しく教えてもらいました！

そもそもセルフ・コンパッションって？

よく「自分に厳しく他人に優しく」なんていう言葉を耳にしますが、自分に厳しくしすぎると、ストレスがたまって精神状態を悪化させてしまう可能性があります。これを防ぐのがセルフ・コンパッションで、「他人を思いやるように自分自身を大切にする」考え方を指します。（※1）

「マインドフルネスと何が違うの？」そう疑問に思うかもしれません。マインドフルネスは「ありのままの自分を受け入れる」ことで、セルフ・コンパッションを構成する要素のひとつといわれています。（※2）

セルフ・コンパッションの効果

ここからはセルフ・コンパッションの具体的な効果についてお伝えします。（※3）

ストレス軽減
ありのままの自分を受け入れ、思いやりを向けることで、周りと自分を比べて嫉妬したり、不安や怒りを感じたりするのを抑えられます。そうすることで心の余裕ができ、人間関係などにも必要以上のストレスを感じなくなるでしょう。

心身の健康
不安や悩みなどのストレスは、過剰に感じてしまうと心の健康に影響が出てきます。心が不健康になると、普段は受け流すような些細なこともストレスに感じて、負のスパイラルから抜け出せなくなることも。また、心が疲れると身体にもさまざまな不調があらわれます。セルフ・コンパッションで心をケアすることで、身体の健康も保つことができるようになります。

幸福感を上げる
自分にとってよくないことが起こったとしても、必要以上にネガティブにならなくなります。ものごとをポジティブに捉えることで「次にどうすれば失敗をしないか」と前向きに考えることができるため、悲観的な感情が少なくなって幸福を感じやすくなるでしょう。

セルフ・コンパッションの具体的な方法

ここまでセルフ・コンパッションとは何か、についてお伝えしてきました。では、実際にどんな方法を実践すればいいのでしょうか？

01_慈悲の瞑想
瞑想と聞くと少し仰々しく感じるかもしれません。しかし最近は、マインドフルネスの考え方が広まったこともあり、ビジネスパーソンからも注目が集まっています。慈悲の瞑想は自分や他者の幸せを願い、苦しみから解放されることを願う仏教伝来の瞑想法です。リラックスした姿勢でそっと目を閉じ、下記の文言を心のなかで唱えます。

「私は幸せでありますように」
「私の悩み苦しみがなくなりますように」
「私の願いごとが叶えられますように」
「私に悟りの光があらわれますように」
「私は幸せでありますように」（3回）

まずは自分自身の幸せを願うことから始めて、慣れてきたら自分の大切な人たちに向けても唱えるようにしましょう！（※4）

02_コンフォートジェスチャー
まずは「コンフォートカード」を作ります。

コンフォートカードの作り方
（1）　ストレスがたまって、自分を責めてしまったときのことを思い出す。
（2）　(1)で浮かんだ批判的な言葉を暗い色のカードに書く。
（3）　(2)で書いた言葉に対して、自分を労る言葉や取るべき行動を考える。
（4）　(3)で浮かんだ内容を明るい色のカードに書く。

このコンフォートカードは、カバンや財布に入れて持ち歩きます。自分を責めてしまいそうになったとき、このカードを見て心を落ち着かせてみてください。（※5）

03_ジャーナリング
ジャーナリングとは、頭に思い浮かんだことをありのままに書いて客観的に自分を知り、ストレスを軽減する方法です。「書く瞑想」ともいわれており、自分自身の不安や悩みを飾らずありのままに書き出します。一定時間集中して手を止めずに書き続けましょう。そうすることで、普段気づかないストレスの原因に気づくことができるはず。（※6）