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2023.3.28

【“アラサークライシス”に効くヒント】30代からの留学は遅すぎる?35歳のNYU進学レポ 後編


#NY#留学

35歳にしてニューヨーク留学をスタートさせた、ライターのYuikomoreさんへのインタビュー!

前編では35歳で留学を決意した理由や留学までの具体的なロードマップについて聞いてきましたが、後編では、いよいよ留学生活について。学校生活や勉強量、そして学業と仕事の両立など、皆が知りたいであろう“実際のところ”を教えてもらいました!



「30代、英語が予想以上に上達しない……」

期末試験で論文作成中

―――実際のNYUでの勉強はどうですか? そもそも、渡米時には英語は話せる状態だったのでしょうか?

大学では英文学科を卒業。でも、英語を話すのはすごく苦手(笑)。それでも話す以外の英語はそれなりにできる方だと思っていました。ところが、実際に入学のための英語試験の勉強を開始してみると、全然伸びない。。勉強しても結果が出ない。奇跡的に入学したは良いものの、最初のセメスターは先生やクラスメイトが言っていることが全く理解できず、本当に本当に苦労しました。「英語は慣れるもの」と思っていましたが、28歳のときの留学と35歳で留学した今の英語の伸び率は天と地の差……。留学して1年半経った今、いまだに簡単な英語でも「なんだっけ。。。???」となることもあり、今でも勉強を継続しています。また、英語のみを勉強する時間を割くことも難しい。大学院は膨大な数のリーディングや課題が出るので、一週間に100ページ以上の論文や記事を読むこともあるからです。

―――想像するだけでもめまいが……。しかも、勉強に+でお仕事もされているんですよね? 今もこうしてお忙しい中、仕事を受けてくださってありがとうございます!

私はもともとフリーランスのライターです。なので、いつでもどこでも仕事をできるのがメリットの一つ。ニューヨークに移り住んでからも、仕事の数は減らしつつも継続しています。でも、これが本当に大変……! 学校の課題、英語の勉強、そしてライターの仕事。しかも慣れない生活の中で全てをこなしていかなければいけないのは本当に辛かったです。中間試験や期末試験のシーズンは論文の提出や試験が重なるので、一時的に仕事を減らすなど、工夫しながら進めていました。若ければ体力で乗り切れるかもしれませんが、30歳を超えて無理をすると身体が正直に反応します(笑)。

ブルックリンにて

―――30歳を過ぎると体力面でも無理が効かないと。

本当にニューヨークの生活では体力は必須なんです(笑)。地下鉄はアップダウンが多く、毎日の平均歩数は普通に生活しているだけで4,000歩以上……。多い日は15,000歩を超えることもあり、毎日疲れていました。今では、歩くことにも慣れ、少しずつ体力がついたと思います。また慌ただしい生活の中、効率よく仕事や勉強をこなすことにも長けていきました。無駄なことは極限に減らし、時間を有効に使うように努力したからです。さらに、学びの楽しさも再確認できました。学生のときは「勉強しないと……」と考えると億劫に感じていました。今は素直に学ぶことを楽しいと感じるようになり、自分の成長を実感できたときは本当に嬉しいです。日々、心身共にたくましくなり、学びの楽しさを再確認できています!

「NYでは私の拙い英語や年齢を気にする人なんて一人もいない」

NYUのクラスの飲み会、真ん中が教授

日本にいた頃、私は「友達がいなくなった」と感じていました。同世代の友達は結婚し、家庭を作り、子どもがいる。私は独身でフリーランス。これまでの友人と会う機会も新しい友人を作る機会も少なくなり、孤独を感じていたんです。ニューヨークへの留学が決まった後も、「もう35だし、学校で友達なんて絶対にできない」と思っていました。でも実際に学校に通い始めると、友人の輪は瞬く間に広がり私の拙い英語や年齢を気にする人なんて一人もいなかった。これまでの人生で出会ったことがないさまざまなバックグランドを持つ友人を持つことができました。大学院の生徒の年齢は21歳から50代以上まで様々。国籍も経歴も年齢も異なる友人がたくさんできるなんて思ってもみなかったけれど、彼らと出会えて自分の人生は本当に豊かになったと実感しています。

「自分の人生にまだまだ可能性があると信じられる」

NYUの寮前にて

30代になると自分の人生もそれなりに見えてくる。だからこそ「このままでいいのかな……」と不安になる。私は日本にいた頃、日本での楽しい生活が想像できませんでした。仕事もそれなりにうまく行き始め、パートナーもいた。生活は安定し、不満を持つのは贅沢だったと思います。しかし、心の中で決定的に欠けていたのは、自分の将来への期待です。「私の人生はもうこのまま進んでいくんだ」という“がっかり感”が頭の中を巡っていました。こっちにきて良かったのは「自分にはまだまだ可能性がある」と実感できたこと。年齢も関係ない、自分がやりたいことを素直に表現すれば、必ずチャンスは巡ってくる。これは大きな収穫です。遠い世界だった国連にも何度も足を運ぶことができ、たった一つの決断で本当に人生が変わったと実感しています。

―――最後に、留学や新しいことを始めようか悩んでいる人にアドバイスを教えてください!

もし留学に迷っているのなら、今すぐ準備をスタートしてみてください。なぜなら、私の経験上「留学して後悔した」という人は1人も見たことがないから。そして正しい答えは探しても見つかりません。自分にとって良い決断かどうかは、行動した後にわかるはず。28歳のときの三ヶ月のニューヨーク語学留学がなかったら、私の今の暮らしはありません。留学に関わらず、少しでもやりたいと思うことがあるなら迷わず挑戦してほしい。年齢を重ねるほど、経験や守るものが多くなる一方で、迷いは大きくなります。“考えること”は私たちを賢い判断に導きますが、決断が遅くなる副作用もあることを忘れないでください。30代だからこそ、迷っている時間はない。始めてみることで答えは向こうからやってきます。今、そして将来を心地よく生きるためにも、素直な気持ちで一歩を踏み出してみてください。

前編を読む!

Yuikomore

大阪出身。法務博士、フリーライター。 関西の大学院を卒業後、法律&ファッション記事を中心に執筆。 海外旅行が趣味。NYUの大学院にてグローバルジェンダースタディーズを勉強中。

大阪出身。法務博士、フリーライター。 関西の大学院を卒業後、法律&ファッション記事を中心に執筆。 海外旅行が趣味。NYUの大学院にてグローバルジェンダースタディーズを勉強中。

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